「フルーツ狩りっていくらぐらい?」——この問いに一言で答えるのは難しいのですが、理由がはっきりしています。果物によって料金の仕組みそのものが違うからです。
当サイトはこれまで、産地の公式資料に載る農園を1件ずつ開いて実額を集めてきました。栃木のいちご29園、山梨のぶどう14園、松戸市観光協会が載せる千葉の梨41園、群馬・沼田の全7品目、青森・弘前のりんご8園……。その数字を果物ごとに並べます。
- 果物ごとの料金の相場(実額)
- 「食べ放題」「量り売り」「入園料+買い取り」の3つの型
- いちばん高い果物と、いちばん安い果物
- 同じ果物でも産地で仕組みが変わること
果物別の相場(実額)
| 果物 | 大人の相場 | 主な方式 | 調べた産地 |
|---|---|---|---|
| さくらんぼ | 1,800〜2,000円 | 食べ放題 | 群馬・長野 |
| ぶどう | 1,500〜3,300円 | 食べ放題/量り売り | 山梨・埼玉・群馬・長野 |
| いちご | 1,320〜2,600円 | 食べ放題(時間制) | 栃木・千葉 |
| りんご(東日本) | 1,100〜1,700円 | 食べ放題 | 青森・長野 |
| りんご(群馬・沼田) | 500円 | 入園料+買い取り | 群馬 |
| ブルーベリー | 1,500〜2,000円 | 食べ放題 | 長野 |
| 柿 | 800〜2,200円 | 食べ放題/量り売り | 茨城・奈良・和歌山・熊本ほか |
| みかん | 900〜1,545円 | 食べ放題 | 和歌山 |
| 梨(関東) | 入園無料が多い+1kg600〜1,100円 | 量り売り | 千葉・埼玉 |
いちばん高くつくのはぶどうで、シャインマスカットに絞ったコースは3,000円台。下は柿とみかんが800〜900円台から。ただし梨と柿は、金額を並べる前に仕組みを見ないと比べられません。梨は関東のほぼ全園が量り売りで、柿は柿狩りという同じ名前のまま、食べ放題の園と量り売りの園に分かれるからです。
料金には3つの型があります
型1:時間制の食べ放題
いちご・さくらんぼ・ぶどう・みかんに多い方式です。30分・40分・90分など時間が決まっていて、その場で食べる分は自由。持ち帰りは別料金か、おみやげが付きます。
- 埼玉のぶどう狩り——30分で三四郎農園が4歳以上1,500円、ぶどう工房OIKOSが小学生以上3,300円
- 青森・弘前のりんご狩り——30分1,100円が3園、40分1,500円が1園。いずれもりんご2個のおみやげ付き
- 群馬・沼田のさくらんぼ狩り——小学生以上1,800円〜
- 山形・石倉かき園の柿狩り——60分1,000円。柿2個のおみやげ付き
まれに時間無制限の園もあります。長野のブルーベリー農園「森の畑」(大人2,000円)、青森の森の中の果樹園(大人1,700円)、長野・高山村の畔上農園のさくらんぼ(大人2,000円)など。柿では静岡の足立柿園が、11月のひと月だけ時間無制限で開いています(大人1,500円)。
型2:量り売り(もぎ取った分だけ買う)
関東の梨狩りは、鎌ケ谷市の食べ放題をのぞけばほぼこの方式です。もぎ取った分を1kgいくらで買い取る形で、入園料は無料の園が多数を占めます。
| 農園 | 1kg | 入園料 |
|---|---|---|
| 埼玉県農林公園(深谷) | 品種により600〜700円 | 無料(駐車場も無料) |
| 松川梨園(桶川) | 700円 | 大人400円・子ども200円 |
| 保谷農園(飯能) | 800円 | 記載なし |
| 高松園(松戸) | 850円 | 無料 |
| 高代園(松戸) | 950円 | 無料 |
| 野口農園(松戸) | 1,100円 | 無料(電話予約制) |
| なしやさん(東松山) | 記載なし | 記載なし |
量り売りの比較は「1kg単価だけ」では逆転します。少しだけ採るなら入園料の安い園、たくさん採るなら単価の安い園。足してから並べてください。
実際に計算すると順番が入れ替わります。1kgだけなら松川梨園は700+400=1,100円で、入園無料の高松園(850円)のほうが安い。ところが3kg採ると2,500円 vs 2,550円で松川梨園が並び、4kgでは3,200円 vs 3,400円と逆転します。
この7か所で単価がいちばん低いのは深谷の埼玉県農林公園で、入園料も駐車場も無料です。ただしここは常設の梨園ではなく、実った品種が出るたびに数日だけ開く収穫体験。2026年は9月11日から新高が1kg600円で、9月5日に始まったあきづき(1kg700円)は収穫物がなくなって終わりました。予約は要りませんが、受付が午前10時30分〜11時30分と午後1時30分〜3時に区切られているので、行ける日と時間が合うかで決まります。
型3:入園料+買い取り
群馬・沼田のりんご狩りが典型です。入園料は大人500円・子供400円で42園すべて共通。持ち帰る分は別途、重さで買い取ります。
長野市のりんご狩りも入園300〜400円と近い水準です。りんごは「入園料が安い果物」——ただしこれは東日本でも産地によって変わります。青森・弘前は食べ放題1,100〜1,700円で、仕組みがまったく違います。
同じ果物でも、品種で単価が2倍変わります
いちばん幅が大きいのがぶどうです。埼玉・秩父の和銅ぶどう園は、もぎ取った分を1kgいくらで買い取る量り売りをしていて、その単価が品種で分かれます。
| 品種 | 1kgあたり |
|---|---|
| 巨峰・藤稔・ブラックビート・ピオーネ | 2,000円 |
| クィーンニーナ・我が道・シャインマスカット | 3,000〜3,500円 |
| ちちぶ山ルビー | 3,500〜4,000円 |
巨峰の2,000円に対して、秩父オリジナルのちちぶ山ルビーは1.75〜2倍。同じ園の30分食べ放題も、8月の早出しシャインマスカットが3,700円、9月からのシャインマスカットが3,200円と時期で分かれます。山梨でもシャインマスカット狩りは2,300〜2,800円が中心で、食べ放題の相場(1,500円〜)とは別枠です。
「ぶどう狩り1,500円」と書いてあっても、シャインマスカットが対象とは限りません。予約前に、その料金でどの品種を食べられるのかを確かめてください。
品種で額が分かれるのは、山梨や埼玉にかぎった話ではありません。大阪のぶどう園にも、一般の品種と大粒の品種で料金を分けているところがあります。関西で行き先を探すなら、狩れる品種と料金を園ごとに見比べてみてください。

いちごは「時期」で1,280円変わります
いちご狩りには、ほかの果物にない特徴があります。シーズンが長いぶん、同じ園でも時期によって料金が大きく動くことです。
栃木の29園を調べたところ、最安は1,320円、高い園は2,600円。そして同じ園でも12月と5月では最大1,280円の差がありました。12月がいちばん高く、5月に向けて下がっていくのが基本形です。
これはいちごの実の付き方によるもので、12月は数が少なく貴重、春になるほど収穫量が増えるためです。安く行きたいなら3〜5月、品質重視なら12〜1月という選び方になります。
料金が公表されていない産地もあります
- 群馬・沼田のぶどう——23園の一覧に入園料の記載がありません(りんごには全園共通の料金があるのに)
- 長野・須坂——16園中、料金が出ているのは3園だけ
- 千葉の梨——松戸41園のうち実額がわかったのは3園。市川・大町で梨狩りができる5園は、入園料まで載せているのが3園、1kgの単価まで出しているのは1園
- 神奈川のみかん——県公式が挙げる8スポットで料金が明記されているのは1園のみ
公表されていない場合、電話で聞くべきは3点です。①入園料はあるか ②食べ放題か量り売りか ③持ち帰りは1kgいくらか。この3つを押さえれば、行ってから戸惑うことはありません。
よくある質問
- Qいちばん安い果物狩りは何ですか?
- A
食べ放題では柿がいちばん安く、和歌山の国城観光農園が大人800円です。みかんもすぐ下に続き、和歌山で900〜1,545円。入園料だけで見れば群馬・沼田のりんご狩り(大人500円・子供400円で42園共通)や長野市のりんご狩り(300〜400円)が安いのですが、こちらは持ち帰り分が別料金になります。
- Qいちばん高い果物狩りは何ですか?
- A
品種を限定するとシャインマスカット狩りです。山梨で2,300〜2,800円、埼玉・秩父の和銅ぶどう園は30分3,200円(8月の早出しは3,700円)。果物のジャンルで見るとさくらんぼが1,800〜2,000円と高めで、群馬・沼田は小学生以上1,800円〜、長野・高山村の畔上農園は時間無制限で2,000円です。
- Q梨狩りに食べ放題はありますか?
- A
数は多くありませんが、あります。千葉・鎌ケ谷市観光農業組合に加盟する梨狩り5園は90分の食べ放題で、小学生以上1,500円〜・幼児(3歳以上)700円〜・2歳以下は無料です。ただし関東全体では量り売り(もぎ取った分を1kgいくらで買う)が基本で、入園料が無料の園も多数。埼玉の松川梨園は「園内で食べ放題は行っておりません」と明記しています。松戸のむつみ石井梨園はバーベキューとセットの食べ放題を掲げていますが、料金は公表されていません。
- Q同じ果物でも産地で料金は変わりますか?
- A
大きく変わります。りんごが典型で、群馬・沼田は入園料500円+買い取り(42園共通)、長野市は入園300〜400円、青森・弘前は30分食べ放題1,100円〜(おみやげ2個付き)。柿も同じで、和歌山は入園料だけの食べ放題800円、福岡は入園無料で1kg550円からの量り売りです。仕組みそのものが違うため、金額だけでは比較できません。「入園料の有無」「食べ放題か量り売りか」の2点をそろえてから比べてください。
- Q予約前に確認すべきことは?
- A
3点です。①入園料はあるか ②食べ放題か量り売りか ③持ち帰りは1kgいくらか。料金が公表されていない産地は少なくありません(群馬・沼田のぶどう23園、長野・須坂の16園中13園、千葉の梨は松戸41園中38園が非公表)。ぶどうの場合は、その料金でどの品種を食べられるのかも合わせて確認してください。
まとめ
- 安く食べ放題 → 柿(800円〜)・みかん(900〜1,545円)
- 入園料を抑える → りんご(沼田500円・長野市300〜400円)
- 持ち帰り重視 → 梨(入園無料の園が多く1kg600円〜)
- 春に安くなる → いちご(12月と5月で最大1,280円差)
- 高いのは → さくらんぼ・シャインマスカット
- 型を選びたい → 柿(食べ放題800円〜/量り売り1kg550円〜)
フルーツ狩りの料金は「金額」より「仕組み」を先に見ると、比べ方がわかります。食べ放題なのか、量り売りなのか、入園料は別なのか。そこがそろって初めて、数字を並べる意味が出てきます。








