市川市は、国道464号沿いに梨の直売所が並ぶ「大町梨街道」で知られる産地です。市川市の公式サイトは、この街道に約50軒の梨屋が軒を連ねると書いています。
ところが、大町梨業組合の公式サイトに載る52園を1件ずつ開いて確かめたところ、梨狩りができるのは5園だけでした。残りはすべて直売所です。しかもその5園のうち(吉)伊藤園は、2026年8月28日から梨狩りを一時中止しています。それでも組合サイトの「梨狩り可能」の絞り込みには、同園が入ったままです。
「梨屋が50軒もあるなら、どこかで狩れるだろう」——そう考えて向かうと、のぼり旗の立つ直売所を延々と通り過ぎることになります。
この記事では、組合サイトに載る52園を「梨狩りの表示があるか」と「いまその受け入れが動いているか」の2つで分けて、狩れる園・買う場所・行く前に確かめることを整理します。なお組合の一覧には「※掲載をしていない園もございます」と断りがあるので、52園は市川の梨園すべてではありません。
- 梨狩りができる5園の名前・住所・電話
- 大町に「伊藤園」が2つあるという落とし穴
- ネット予約が要る園と、その料金(入園券500円+プラン代)
- 残り47園=直売所の使い方
- 5園のうち1園が梨狩りを止めていること
梨狩りができる5園と、いまの受け入れ状況
| 梨園 | 住所(すべて市川市) | 電話 | いまの梨狩り |
|---|---|---|---|
| (吉)伊藤園 | 大町507 | 047-338-9286 | 一時中止(2026年8月28日〜)。直売は継続 |
| 大彦園 | 大町481 | 047-337-7439 | 完全予約制。ネットで日時のチケットを買う |
| 大重園 | 大町313 | 047-337-8751 | もいだ量に応じて食べる分はサービス |
| 伊藤園 | 大町371 | 047-338-9093 | 豊水・新高を8月下旬頃から10月上旬頃まで |
| 大仲園 | 大町29 | 047-338-9259 | 入園無料と明記。梨以外の品目もあり |
5園はいずれも大町にあります。番地は29から507まで散らばっているので、街道沿いを端から端まで移動することになります。
ここで気をつけたいのは、組合サイトの表示と、園が実際に受け入れているかどうかがずれることがある点です。(吉)伊藤園の品種欄には「梨狩り」が入ったままですが、園の公式サイトは中止を告知しています。組合の一覧で当たりをつけて、行く園の告知か電話で最後に確かめる——この順番なら空振りを防げます。
伊藤園(大町371・047-338-9093)と(吉)伊藤園(大町507・047-338-9286)は、名前が似ているだけの別々の梨園です。住所も電話番号も違います。
千葉県公式観光サイト「ちば観光ナビ」が「梨の伊藤園」として紹介しているのは大町507のほう(=(吉)伊藤園)。一方、組合サイトのコメント欄で豊水・新高のもぎとりを案内しているのは大町371のほうです。
電話をかける前に、番地と電話番号で確かめてください。「伊藤園」だけを頼りにナビを設定すると、目当てと違う園に着きます。
5園それぞれの違い
大彦園|チケットを買ってから行く完全予約制
5園のなかで唯一、自分のオンラインショップから梨狩りの予約を受け付けているのが大彦園です。組合サイトのコメント欄に「梨狩りのご予約もHPから受け付けております」と明記されています。予約の窓口はこのチケットに一本化されていて、チケットの注文時には料金がかからず、支払い方法は「現地払い」を選ぶよう指定されています。行く日が決まったら、まずチケットを押さえてください。
チケットは日付と時間(10時/15時)ごとに売られていて、1グループにつき1枚。入園券は1枚500円で、何名でも入園できます。料金はここで終わりではなく、受付で詰め放題袋(約6kg分相当・入園券と合わせて7,000円)かカゴ(採ったあとに量って1kgあたり1,100円)のどちらかを選ぶ形です。支払いはすべて現地で、現金・クレジットカード・QRコードなどの非接触決済が使えます。
開催する日は日ごとに決まっていて、休みの日もあります(2026年9月は月曜と木曜が開催日以外・9月6日時点)。同園の店舗紹介ページには「8月末から10月上旬の土日祝日に梨狩りを開催しております。」という記載も残っていますが、チケットの販売カレンダーでは平日にも枠が出ています。行ける日はカレンダーで確かめてください。品種は幸水・豊水・あきづき・かおり・新高で、時期によって採れるものが変わります。駐車場は最大18台。採った梨は畑では食べずに持ち帰る決まりなので、家でゆっくり味わうつもりで出かけましょう。
大重園|もいだ量に応じて、食べる分をもらえる
大重園のコメント欄には、「もぎとりした量に応じて食べる梨はサービスで差し上げます」とあります。持ち帰る分を買い、その場で食べる分は量に応じて付けてくれる、という形です。
これは時間制の食べ放題とは別のしくみです。たくさん食べたい人ではなく、たくさん買って帰る人に向いています。減農薬・有機肥料での栽培を掲げており、販売は10月中旬までです。
大仲園|入園無料と明記。梨以外の品目も扱う
「梨狩できます。入園無料です。」という一文が組合サイトに載っています。取り扱いは幸水・豊水・かおり・新高に加えてイタリアントマトとブリーミラー。5園のなかで唯一、梨以外の品目を並べている園です。組合サイトのコメント欄で入園無料と書いているのはこの園だけなので、値段を気にせずまず入ってみたい人はここから当たってみてください。
(吉)伊藤園|梨狩りは一時中止、販売は継続中
大町507の(吉)伊藤園は、2026年8月28日から梨狩りを一時中止しています。園の公式サイトは新着情報で「梨狩り中止しております。」と告知し、理由を「近年の気温上昇による果実の高温障害がでているため」としています。「終了」ではなく「一時中止」で、再開の時期は示されていません。
いっぽうで梨の販売は続いています。12,000㎡の畑で、自家製の有機質肥料を使って梨を育てている園です。幸水は8月16日に販売を終えましたが、豊水とあきづきは8月下旬からネットの受付が始まりました。営業時間は10時から16時までで、収穫期は無休。梨を買いに行くだけなら、この園は今も開いています。
再開したときの条件も決まっています。入園無料で、「1㎏700円~900円で狩り取った分だけ買い取り」、1グループ3kg以上から。開園時間は10時から15時までで、10名以上なら電話での確認が要ります。ただし新高は2026年7月11日に販売中止となり、代わりに豊水かあきづきをすすめています。出かける前に、園の新着情報を見てから電話をかけてください。
伊藤園|狩れるのは豊水と新高だけ
大町371の伊藤園は、もぎとりの期間と品種を具体的に出しています。豊水と新高のもぎとりを8月下旬頃から10月上旬頃まで、営業は9時〜17時、販売期間中は無休。
ここで注意したいのは、幸水は狩れないという点です。8月上旬〜中旬に出回る幸水はもぎとりの対象外で、この園でお盆に梨狩りをすることはできません。
8月上旬は「買う」時期です
市川市の公式サイトによると、幸水の収穫時期は8月上旬〜8月中旬、豊水が8月下旬〜9月中旬、あきづきが9月上旬〜9月下旬、新高が9月中旬〜10月上旬です。
一方で、梨狩りの開始時期を明示している園を見ると伊藤園が8月下旬から、大彦園が8月中旬から。幸水の時期と、梨狩りができる時期はほとんど重なりません。
幸水を目当てにするなら直売所で買う。狩るなら豊水が出そろう8月下旬以降に行く。市川はこの2段構えで考えると失敗しません。
残る47園は直売所。それも使い道があります
大町梨業組合の52園のうち、47園は直売のみです。ただし市川の直売所は「もいだ梨を売る店」ではありません。その日に木から採った梨を、その場で並べています。
市川市によれば、大町梨街道という呼び名は昭和50年代に生まれました。『大町をひらいた人々』(平成15年・大町共有地管理委員会)という本に、共同出荷とは別に農家が自宅で直接販売を始め、直販店が並ぶ国道を「大町なし街道」と呼ぶようになった、という記述が残っています。
| 市川で梨を買える場所 | 内容 |
|---|---|
| 大町梨街道(国道464号沿い) | 大町・大野町を中心に個人の直売所が集中。組合掲載52園 |
| 選果場の直売 | 殿台・迎米にも直売をしている選果場あり |
| 大町以外の直売所 | 柏井地区・国分地区などにも直売所あり |
梨狩りが目的でないなら、市川はむしろ「買う」ほうが強い産地です。市川の梨は2007年に特許庁の地域団体商標に登録されており、品種ごとの出回り時期も市が公表しています。
よくある質問
- Q市川で梨狩りができるのは何園ですか?
- A
組合サイトの表示のうえでは5園です。掲載52園を1件ずつ確認したところ、「梨狩り」の表示があるのは(吉)伊藤園・大彦園・大重園・大仲園の4園、コメント欄でもぎとりを案内しているのが伊藤園の1園でした(2026年9月6日確認)。残る47園は直売のみです。ただし(吉)伊藤園は2026年8月28日から梨狩りを一時中止しているので、いま受け入れているのは4園です。組合の一覧には「※掲載をしていない園もございます」とあり、52園は市川の梨園すべてではありません。
- Q予約なしで梨狩りに行けますか?
- A
園によって違います。大彦園は完全予約制で、日付と時間ごとのチケットを買ってから向かう仕組みです。電話での予約は受け付けていないので、行く日が決まったらオンラインでチケットを押さえておきましょう。大重園・大仲園・伊藤園は予約の要否を組合サイトに書いていないため、行く日が決まったら電話で受け入れの可否を確かめてから向かってください。(吉)伊藤園は梨狩りを一時中止中です。
- Q幸水の梨狩りはできますか?
- A
難しいと考えたほうが確実です。伊藤園はもぎとりの対象を豊水・新高としており、開始も8月下旬頃から。市川市が公表する幸水の収穫時期は8月上旬〜中旬なので、梨狩りが始まる前に幸水の時期は終わります。幸水は直売所で買うのが現実的です。
- Q料金はいくらですか?
- A
2園が公表しています。大彦園は入園券が1グループ500円で、これに詰め放題袋(入園券と合わせて7,000円・約6kg分相当)かカゴ(採ったあとに量って1kgあたり1,100円)が加わります。(吉)伊藤園は入園無料で「1㎏700円~900円で狩り取った分だけ買い取り」、1グループ3kg以上からという条件です(現在は梨狩りを一時中止中)。組合サイトでは、大仲園が「入園無料」、大重園が「もぎとりした量に応じて食べる梨はサービス」とあるだけで、1kgあたりの金額は出ていません。この2園へ行くなら、1kgいくらかを電話で確かめておくと安心です。
- Q大町梨街道はどこにありますか?
- A
市川市を走る国道464号線の通称です。市川市によると道沿いに約50軒の梨屋が軒を連ねます。名前は昭和50年代、農家が共同出荷とは別に自宅で直接販売を始めたことから生まれました。梨狩りができる5園も、すべてこの大町にあります。
まとめ
- 組合サイトの表示は52園中5園。すべて大町
- (吉)伊藤園は梨狩りを一時中止(2026年8月28日〜)。販売は継続
- ネット予約 → 大彦園(完全予約制・入園券500円+プラン代)
- たくさん買う人 → 大重園(食べる分はサービス)
- 「伊藤園」は2つある。番地と電話番号で確認
- 時期 → 8月下旬以降(幸水はほぼ対象外)
市川は買う場所としては県内でも屈指、狩る場所としては大町の5園という産地です。ただし、その5園すべてがいつも受け入れているわけではありません。梨狩りが目的なら大町に的を絞り、それ以外の日は街道の直売所を回る——そう分けて考えると、この街道の使い方が見えてきます。出かける前には、組合の一覧ではなく園自身の告知を見てください。「梨狩り可能」の表示が残ったまま、園の側で止まっていることがあります。
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