長野のぶどう狩りは、狩れる品種が山梨や群馬とはっきり違います。ノースレッド、ナイアガラ、スチューベン、安芸クイーン、ナガノパープル——スーパーの売り場にも他県の農園にもあまり出てこない名前が、ふつうに食べ放題の対象になります。
この記事で比べるのは、長野でぶどう狩りができる園の料金・狩れる品種・時期の3つ。ネット予約で日付を先に押さえられる9園と、電話で申し込む塩尻・松川町の農園を分けて並べたので、安く行きたい人にも、ナガノパープルが目当ての人にも、車を使わずに行きたい人にも選びやすいはずです。
- 入園料880円から狩れる塩尻の農園と、その申し込み方
- ネット予約できる9園の料金(200〜3,800円)と、食べ放題の値段が品種で決まる仕組み
- 時間無制限で6品種食べ放題、しかも新幹線の駅から歩ける園
- ナガノパープルとシャインマスカットを狩れる園と、その時期
ネット予約できる9園
まずは、日付と時間をその場で押さえられる9園です。料金は大人1名あたりで、各園が案内している金額を載せました。
| 農園 | 市町村 | 狩り方 | 料金(大人) | 狩れる時期 |
|---|---|---|---|---|
| 小平酒屋農場 | 千曲市 | 入園して量り売り | 入園料200円 | 農園へ問い合わせ |
| 農業法人 今田平 | 飯田市 | 園内食べ放題 | 2,000円(早生品種は1,700円) | 8月10日〜9月ごろ |
| みはらしファーム | 伊那市 | 60分食べ放題+1房収穫 | 2,000円 | 9月12日〜10月12日 |
| 塩﨑農園 | 飯山市 | 時間無制限の食べ放題 | 2,000円(6品種) | 8月下旬〜10月上旬 |
| かどや農園 | 塩尻市 | 無農薬の園で狩る | 農園へ問い合わせ | 8月〜10月 |
| マルダイ大場農園 | 松川町 | 60分食べ放題 | 2,600円 | 8月下旬〜10月中旬 |
| まるもと農園 | 松川町 | 30分食べ放題 | 2,800円(ナガノパープル) | 8月26日〜10月4日 |
| 大坪農園 | 松川町 | 1房狩り | 農園へ問い合わせ | 9月中旬〜9月下旬 |
| 信州夢ばらの里 | 坂城町 | 皿盛り食べ放題+1房 | 3,800円 | 8月15日〜10月15日ごろ |
並べてみると、食べ放題の値段はほぼ品種で決まっているのが分かります。ナイアガラやスチューベンなど中粒種が中心の園は2,000円前後、長野県生まれのナガノパープルになると2,800円、シャインマスカットの皿盛りは3,800円で、いちばん安い園といちばん高い園では1.9倍の開きがあります。だからこそ、予算から入るか品種から入るかを先に決めると迷いません。
他県では狩れない品種が主役
飯田市の今田平では、8月に狩れるのがノースレッド・ナイアガラ・スチューベンで、9月に入ると巨峰と安芸クイーンに入れ替わります。この入れ替わりに合わせて料金も動き、前半は小学生以上1,700円、安芸クイーンと巨峰が解放されると2,000円になります。目当ての品種があるなら、行く日を品種から逆算するのが確実です。
ナイアガラは香りの強い白ぶどうで、スチューベンは小粒で甘い黒ぶどう、ノースレッドは早生の赤系。どれもスーパーの棚ではあまり見かけません。伊那市のみはらしファームでも、この3つにレッドナイアガラを加えた中粒種が60分食べ放題の対象で、しめくくりに大粒のピオーネを1房収穫できます。山梨のぶどう狩りが巨峰・ピオーネ・シャインマスカット中心なのと比べると、長野は顔ぶれがかなり違うわけです。
みはらしファームは大人2,000円、3歳以上小学生未満が1,000円、3歳未満は無料。1,000円足すと大粒種をグレードアップでき、10月3日から12日までならシャインマスカットに変えられます。畑の準備があるため、前日までに予約しておきましょう。
時間無制限で6品種。新幹線の駅から歩ける
飯山市の塩﨑農園は時間制限を設けていません。2,000円のコースは藤稔・ナイヤガラ・種なし巨峰・ピオーネ・スチューベン・瀬戸ジャイアンツの6品種が対象で、3,000円のコースにするとシャインマスカットまで入ります。3歳から6歳までは800円と1,000円の子ども料金があるので、家族で行っても総額が読みやすい園です。
場所は飯山駅の斑尾口から歩いて5分。飯山駅は北陸新幹線が停まるので、東京から新幹線で来てそのまま歩ける園ということになります。摘み取った分の量り売りもしているため、食べ放題のあとにお土産を足すこともできます。ぶどう狩りの期間は8月下旬から10月上旬ごろ、9時から16時30分まで。個人なら予約なしでも入れますが、人数が多いときは電話を入れてから向かうと安心です。
2,000円のコースはシャインマスカットだけ対象外です。シャインマスカットも食べたい場合は、はじめから3,000円のコースを選んでおきましょう。
ナガノパープルとシャインマスカットは松川町へ
下伊那郡松川町は「くだものの里」を名乗るだけあって、ぶどう狩りができる農園が6つ集まっています。そのうち元大島・大島の3園はネット予約に対応していて、松川インターから車で2分のマルダイ大場農園を起点にすれば、1日で回ることもできます。
まるもと農園は、収穫済みのぶどうを30分で食べ放題にする形です。ナガノパープルが8月26日から9月11日までで大人2,800円、小学生1,600円。9月12日からは最初の1房を自分で収穫できるシャインマスカットに切り替わり、大人3,000円になります。9月15日ごろから月末までは500円足すと食べ比べプランに変更できるので、クイーンニーナやクイーンルージュまで味わいたいならこの時期を狙いましょう。毎週火曜が定休です。
マルダイ大場農園は60分の園内食べ放題で、大人2,600円、小学生1,800円、3歳以上の幼児1,200円。あづましずくが8月末ごろ、巨峰が9月上旬、ピオーネが9月下旬ごろから順に食べごろを迎えます。梨やりんごと組み合わせられるのがこの園らしいところで、ぶどうと梨で3,600円、3種類そろえると4,000円。1房だけ狩るなら1,400円です。予約制なので、電話かネットで先に枠を取ってから向かいます。
大坪農園はシャインマスカットの1房狩りを9月中旬から下旬にかけて受け付けます。育てているのはシャインマスカット、クイーンニーナ、クイーンルージュ、ピオーネ。当日受付ができない日もあるため、こちらも予約してから出かけると確実です。
松川町にはほかに、マルトモ奥田農園(シャインマスカット1房狩り2,000円)、奥村農園、香山農園もあります。いずれも電話での予約です。
シャインマスカットは皿盛りで食べ放題(坂城町)
坂城町の信州夢ばらの里は、木からもぎながら食べるのではなく、皿に盛られたシャインマスカットを食べ放題にする形です。自分で狩り採る1房はお土産として持ち帰れます。料金は小学生以上3,800円、園児・幼児1,900円で、3歳までは無料(お土産の1房は付きません)。
お米も作れる粘土質の土壌で育てていて、2021年に測った糖度はシャインマスカットで22度。期間は8月15日からぶどうが終わり次第で、10月15日ごろまでの見込みです。営業時間は10時から16時に変わりました。事前予約が必要で、予約が埋まっていると当日の来園を断られることがあるため、日が決まったら早めに押さえておきましょう。
入園料880円から。塩尻の農園は電話で予約しよう
いちばん安く狩れるのは塩尻市の宗賀地区です。国道19号沿いに観光農園が並んでいて、塩尻市観光果実直売組合の11農園が8月下旬から10月下旬ごろまで受け入れています。入園料は小学生以上880円から、3歳以上小学生未満は440円から。巨峰などの品種は別料金です。
| 農園 | 住所(塩尻市) | 電話番号 | ぶどう以外 |
|---|---|---|---|
| フモンヂ観光園 | 宗賀73-66 | 0263-52-0474 | りんご・梨(販売) |
| 土田園 | 宗賀1299-156 | 0263-52-1923 | りんご |
| 原遊覧園・原農園 | 宗賀71-52 | 0263-52-2958 | りんご・梨 |
| 中道園 | 宗賀2043 | 0263-53-3651 | — |
| 滝之宮園 | 宗賀2069 | 0263-54-4718 | — |
| 真田園 | 宗賀1528-1 | 0263-52-3650 | — |
| いわだれ農園 | 宗賀2016 | 0263-52-5894 | 梨(販売) |
| かどや農園 | 宗賀1809-1 | 0263-52-4498 | — |
品種の数で選ぶならフモンヂ観光園です。デラウェア、巨峰、ナイヤガラ、ナガノパープル、シャインマスカット、ピオーネ、レッドナイヤ、サニールージュ、スチューベン、マスカット・ベーリーA、オリンピア、ロザリオロッソと12種類以上を狩れます。JR塩尻駅から歩いて15分ほど、駐車場は40台。滝之宮園はデラウェア、ポートランド、コンコード、ナイヤガラをそろえる駐車場10台の小さな園で、静かに過ごしたい人に向いています。
この8園のうちかどや農園だけはネット予約もできます。化学肥料を使わずに育てていて、狩れるのはナイヤガラなど。塩尻の農園はどこも雨の日にぶどう狩りができるので、天気が読めない日程でも組みやすいのが利点です。
いつ行くと何が狩れるか
長野は園ごとに主力の品種が違うので、行く時期で選べる園が変わります。品種と時期の対応をまとめました。
| 品種 | 狩れる時期 | 狩れる園 |
|---|---|---|
| ノースレッド・ナイアガラ・スチューベン | 8月〜9月上旬 | 今田平、みはらしファーム |
| ナガノパープル | 8月下旬〜9月中旬 | まるもと農園、フモンヂ観光園 |
| 巨峰 | 9月上旬〜10月上旬 | マルダイ大場農園、塩﨑農園 |
| 安芸クイーン | 9月〜 | 今田平 |
| シャインマスカット | 9月中旬〜10月中旬 | 大坪農園、まるもと農園、信州夢ばらの里 |
| ピオーネ | 9月下旬〜10月中旬 | マルダイ大場農園、みはらしファーム |
8月に行くならノースレッドやナイアガラ、9月なら巨峰とナガノパープル、10月はシャインマスカットとピオーネという並びです。長野のぶどう狩りは10月中旬から下旬にかけて終わります。ぶどうの農園が11月や12月も開いていることがありますが、それはりんご狩りや直売のためで、ぶどうを狩れるわけではありません。秋の後半に行くなら、りんご狩りに切り替えて計画したほうが確実です。
よくある質問
- Q車がなくても行けますか?
- A
塩﨑農園(飯山市)は飯山駅の斑尾口から徒歩5分で、飯山駅は北陸新幹線の停車駅です。塩尻市のフモンヂ観光園はJR塩尻駅から徒歩15分ほど。この2園なら、駅から歩いてぶどう狩りができます。
- Q予約は必要ですか?
- A
園によって違います。今田平(飯田市)と信州夢ばらの里(坂城町)は完全予約制、マルダイ大場農園と大坪農園(松川町)も予約制です。みはらしファーム(伊那市)は畑の準備があるため前日までの予約を求めています。塩﨑農園(飯山市)は個人なら予約なしで入れますが、人数が多いときは連絡が必要です。
- Q雨の日はどうなりますか?
- A
塩尻市の農園はどこも雨の日にぶどう狩りができます。みはらしファーム(伊那市)とマルダイ大場農園(松川町)も雨天は決行しますが、園内で傘を差せないため雨具の用意が要ります。ただし荒天のときは中止になることがあるので、空模様が怪しい日は朝のうちに園へ連絡しておきましょう。
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まとめ
- いちばん安いのは塩尻市宗賀の農園で、入園料880円から。申し込みは電話
- ネット予約できるのは9園。中粒種の食べ放題なら2,000円前後
- 値段は品種で決まる。中粒種2,000円/ナガノパープル2,800円/シャインマスカット3,800円
- 塩﨑農園は時間無制限で6品種、しかも北陸新幹線の飯山駅から徒歩5分
- 狩れるのは8月から10月中旬〜下旬まで。それ以降はりんご狩りに切り替える
長野のぶどう狩りは、有名な品種をたくさん食べるより、ここでしか出会えない品種を試すほうに向いています。入園料880円で数品種を食べ比べられると考えれば、けっして高い遊びではありません。行く日が決まったら、その時期に何が狩れるかを園に確かめてから出かけましょう。

